研究報告

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ジョンズホプキンズ大学医学部、物理学
リハビリテーション科および神経科での研究報告

 

頚の痛み: 3つの枕の比較

Robert A. Lavin MD, Marco Pappagallo MD, Keith V. Kuhlemeier PhD

米国メリーランド州ボルティモア、ジョンズホプキンズ大学医学部、
物理学リハビリテーション科(Lavin, Kuhlemeier博士)および神経科(Pappagallo博士)

抜粋

対象:良性の頚の痛みを持つ被験者の疼痛強度、疼痛緩和、睡眠の質、障害および全体的満足度に関して3つの枕を比較する。評価した3つの枕は、被験者が通常使用する枕、ロール枕およびウォーターベースピロー(メディフロー社製)である。

結果:ウォーターベースピロー(メディフロー社製)は、朝の疼痛軽減、疼痛緩和増大および睡眠の質の改善をもたらした。ロール枕では、睡眠時間が有意に短縮された。全体的SIP(症状への影響の度合)所見から、ロール枕および標準枕に比べウォーターベースピロー(メディフロー社製)が有意に優れていることが示された。

結論:枕の適正選択により、有意な疼痛の軽減および睡眠の質の改善等が可能である。

結果

朝の疼痛度では枕の種類による有意な差がみられたが(p<0.01)、夜の疼痛度では差がみられなかった(p>0.01)。Tukey多重比較検定によると、朝の疼痛度はロール枕と標準枕の間では差がなかったが(p>0.05)、ウォーターベースピロー(メディフロー社製)ではロール枕(p<0.005)または標準枕(p<0.025)よりも低かった。平均疼痛緩和度は、朝(p<0.01)夜(p<0.05)ともに枕の種類による差がみられ、ロール枕等を使用した患者さんに比べ、ウォーターベースピロー(メディフロー社製)を使用した患者の方がより大きな疼痛緩和を示した。
毎日の睡眠質問表の結果は…。質問した5項目全てにおいて、最高から最低までウォーターベースピロー(メディフロー社製)、ロール枕、標準枕の順であった。標準枕およびロール枕では、5項目全てにおいて順序が平均よりも悪かった。対照的に、ウォーターベースピロー(メディフロー社製)は、全体的な睡眠の質(p<0.01)および通常と比較した睡眠認識(p<0.005)において有意に平均を凌いだ。

考察

本交差試験で、ウォーターベースピロー(メディフロー社製)は、一貫してSIPの全体的な睡眠の質および睡眠質問表において統計的に有意な改善を示した。ウォーターベースピロー(メディフロー社製)の疼痛緩和および朝の疼痛度平均VAS得点は、一貫して他の枕より優れていた。
したがって、睡眠中に適切な頭部および頚部の支持を行うことで、日中の疼痛緩和に好ましい繰越効果が期待できる。ウォーターベースピロー(メディフロー社製)を用いた場合、SIP上の身体的特質得点および家事個別得点に有意な改善がみられるのは、この現象を反映していると考えられる。
NicassioとWallstonの研究によると、睡眠の質の改善は、対処技術を向上させストレスを処理しやすくさせる可能性がある。
ウォーターベースピロー(メディフロー社製)のプラス効果は、おそらく頭部および頚部の位置および形に自然に適合する性質によるのであろう。ポリエステル繊維は頭部および頚部に圧迫され、その重さを非圧縮性の支持水層に伝える。この水の層は、睡眠位置が変化する間、頭部および頚部の重さを自然に再分散する。頭部および水の層の動きは、圧縮性ポリエステル繊維により低下する。ベッド面が平坦であることは、使用中の枕の向きを適切に保つために重要であると考えられる。

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